マスタークラス(大阪)とプライベートレッスン(京都)
恒例となりつつある、9月の終わりに行われるウィーン国立音大教授によるマスタークラス。今年も濃密な4日間でした。
アーノルド氏のマスターコースは、2度目、3度目と受けに来られるリピーターの方が多いのですが、彼は一度会って音楽聴けばずっと覚えています。昨年は○○の曲を弾いてたよね?前年より○○なところ成長したね、と。はじめ通訳しながら、そのことに触れた時驚いたのですが、彼にとってはいたって自然なこと。そして、こうやって彼を信頼して、自身を成長させるためにリピーターとなりレッスンを受けに来てくれることに大きな喜びを感じています。受講する側の立場としても、自分のことを、更にどんな演奏したか、何弾いたかまで一年前のこと覚えてくれていたら嬉しいですよね?!
そういう感じで、年に一回のレッスンではありますが、ウィーンと日本と離れた距離にありながらも、濃く太い糸で結びついているように思うし、年々マスタークラスの成長を感じます。
今回も受講された方々のプログラムは、本当に充実したものでした。レッスン通訳するのは、知識をインプットしてアウトプットするということが同時にできるので、より自分の栄養素として刻み込まれる感じがして、一種の役得感を感じてます。得た知識をより深めるべき、マスタークラス終えてから本を漁ってます。笑
先生の多岐に渡る見聞の広さ、そして知識の深さは毎回すごいなーと感心するばかりなのですが、そこに自分の知識ももっと深くあったら、簡潔によりわかりやすく伝えることができたんじゃないかな、、、と思った場面がありました。
特に、宗教的なことや自分のレパートリーにない作曲家についての思想や背景など、、、
いくつか深めたい知識についての本は発注して、そして通訳しながら、あの本にこの内容載ってそうだなとか思っていたとのはチェックして見つけました。そういう新たな学びの機会にもなって、この四日間は本当に充実の時間でした。
私が昔レッスンはじめて受けた時にも感じたことですが、最初に曲を通して弾く間にその人の人間性や、抱えてる悩みなど読み取り、そしてその悩みをその人自身から引き出し、その上でその人の音楽や心を開いていくアプローチの仕方が見事で、60分のレッスンの中で開花させていくのですよね。その波長がぴったりとあったときの受講者さんの表情は本当に素敵です。
そう、指導者目線でも学ぶことがいっぱいです。
今年も移動中や食事中など、いっぱい先生といろんな話をして、楽しい時間が過ごせて幸せでした。
また来年のマスタークラスまで自分も成長していようと心に誓いながら「また次会う日までお元気で!」とお別れしました。
写真はウィーン国立音大ピアノ科のレッスン室の廊下です。ここをいろんな気持ちで歩いたなと懐かしいです。